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WEBとかビジネス時々育児

少し真面目にキュレーションメディアの今後について考えてみた

■はじめに

いわずもがなですが、2014年からキュレーションメディアと呼ばれるタイプのメディアが急増しています。

2014年のキュレーションメディア創世記段階では、バイラルメディアの急成長の背景もあり最終的にどうなるのか、という議論が意外となされないまま現在に至っているように感じます。

しかしiemo、meryといった大きめの事例をはじめ直近で言うと4meee!もバイアウトの道を選びました。こういった出口に至った例を見て一部識者の中には、「キュレーションメディアはバイアウトを目指したほうがいい」的な見方が生まれてきました。

そこでいよいよ個人的に今後キュレーションメディアがどうなるのかについて考えてみることにしました。
※当然筆者の勝手な想像も含まれておりますので予めご了承ください。

ちなみにキュレーションメディアと一口にいっても広いので、本稿では下記のような読み物メディア的な形式のものを想定しています。

 

 

■キュレーションメディアってなんでこんなに話題になってるの?

 

・Googleで「キュレーションメディア」と検索された回数の推移

 

上記のグラフを見てもわかるように2014年以降このワードが注目されているのは確かなようです。
しかし、キュレーションメディアの何がそんなにすごいのか?

それは彼らの成長のスピートです。

 

下記のデータを御覧ください。

  • TABILABO ・・・ ローンチから5か月で3000万PV
  • 4meee!  ・・・ ローンチから6カ月で2500万PV
  • CuRAZY ・・・ ローンチ初月で870万PV 

 出典

4meee: http://thebridge.jp/2015/01/4meee-surpass-25m-pv-in-6months
旅ラボ:http://tabi-labo.com/35338/tabilabopress01/
CuRAZY:http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000008508.html


枚挙にいとまがありませんが上記の例を見るだけでもキュレーションメディアがどれだけ早くPV成長をしているかが伺えます。

 

同じようなメディア規模でいくと

  • 美レンジャー ・・・ 2500万PV  (2011年~)
  • lifehacker ・・・ 3890万PV  (2008年~)

※いずれも媒体資料より。

といえばよりその凄さが伝わりやすいのではないでしょうか。

 

■どうやったらそんなことが可能になるのか?キュレーションメディアの勝ちパターン

 

もちろん「The成功のセオリー」なんて存在しないのは承知のうえですが、キュレーションメディアは概ね下記のような流れで成長をしています。

 

1.記事を安く大量に仕入れ(クラウドソーシング、アルバイトで内製)

2.SNSでバズるようにする。(FB広告、ニュースアプリと提携)

3.PVが一定ラインを超し、アドネット以外の純広などがとれるように。

4.上記の収益を更に記事やFB広告などに投資

繰り返し

 

特にポイントになっているのは1と2です。

 

1.キュレーションメディアを支えているのは大量の「そこそこ記事」

 実施にサイトを見ていると感じることですが、最近誕生したキュレーションメディアはとにかく誕生直後から更新頻度・本数が多いです。

 

この生産体制を支えているのがランサーズ、クラウドワークス等を使った外注です。サービスによっては独自にライター(っぽく書けるちょっと文章とセンスのよい人)を囲っていたりします。
4meeeやbySなどがその典型例といえるでしょう。

 

▼4meee生産体制参考記事


女子向けキュレーションメディア「4meee!」が6カ月で2500万PV到達、その成長の理由とは - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)

 

従来型のニュースメディア(=オールドメディア)からしてみたら1本500円とか1000円で記事をガンガン配信されたらたまりません。その何倍ものコストをかけているはずですから。※10倍以上の例もあるでしょう。

 

記事作成にかかわるコストを

  • A:取材/リサーチ
  • B:ライティング

にわけた場合キュレーションメディアだとAは格段に安くなります。
なにせそのほとんどがWEBリサーチですから。
Bに関しても新聞社の記者やプロのライターと比べて当然アルバイトやクラウドソーシングのほうが安くなるので2重にコスト安です。

スマホがここまで普及し、ニュースアプリが浸透したこともあり、より細切れの情報に対してのニーズが高まりました。

もちろんその限られた分量でもプロの仕事というものは差がつくものでしょうが、やはり差が目立ちにくくなったことは事実だと思います。

キュレーションアプリの多くが画像(+タイトル)重視であることを考えるとなおさらです。

「画像を準備するにもコストがかかるだろう?」という疑問は彼らから言わせればナンセンスです。

無料でどこからか調達してきているわけですから。


2.SNSでバズるようにSNS広告に大量投資

 キュレーションメディアに近い概念として2014年日本のメディア界を騒がせた「バイラルメディア」というものがあります。

定義は様々でしょうがトラフィックのほとんどをSNSから得ている特徴がありました。

キュレーションメディア=バイラルメディアとは考えていませんがSNSからのトラフィックを重視する点に関しては同じでしょう。
事実最近露出の多いキュレーションメディアのほとんどはFBいいねを10万以上獲得しています。

彼らの多くはSNSから安定的なトラフィックを稼いでおり、その土台づくりとしてFB広告に予算投下をしているはずです。

 

「まじめに続けていればその位いいね獲得できるじゃないの?」という声がきこえてきそうですが、例えばぐるなびが運営しているippinは数少ない広告投下をしていない例と見られますが、

FBいいねは本記事執筆時点で若干1575です。

ippinはニュースアプリと連携もしていますのでPVがほとんどない状況ではないはずです。

前述の小学館の運営する美レンジャーを例にあげると、PV2500万(※媒体資料より)に対していいねは1万を切っています。

単純にPVに比例していいねが獲得できるわけではないです。
だからこそ「ソーシャルメディアマーケティング」なんて言葉も生まれるわけですね。

 

当たり前ですが、いいねを大量に獲得しているとFB投稿経由からのトラフィックが増加します。

一度投資していいねの母数を獲得すれば拡散の確立が高まるため効率のよい投資として判断されているのではないでしょうか。

 

平均いいね単価50-100円の間と想定し、オーガニック--有料比率を2:8程度と考えると10万いいねに至るまでに500万-1000万円程度はコストとして投下済みと筆者は予想しています。

 

結局今後どうなるの?→読み物メディア的な広告掲載モデルでは限界が訪れる

 

キュレーションメディアの売上=PV数と考えると単純に

 

売上=記事数×提携メディア数×バイラル率※1

 

の3つの要素が売上を左右するということになりますが、下記2点がキュレーションメディアの成長の限界を考える上でのポイントかと思います。

※1:筆者の造語です。単純に記事単位でのバズりやすさを意味します。

 

1.提携メディアにも当然枠数の限界がある

各種ニュースアプリの提携メディア数はすでに数百になっており、どんな記事でも載るというわけではありません。また今後も枠を狙った争いは熾烈になっていくでしょう。提携すること自体もハードルが高くなるでしょうし、提携出来ても必ず掲載に至るわけではありません。


2.Facebookユーザーも有限であるため、バイラル率を高めるにも限界あり

キュレーションメディアを運営する上で大事なのはFBファン数を獲得することであり、そのために各社FB広告を駆使しているであろうことを記載しましたが、もちろんFBユーザーは有限であり、なかでも自社メディアがターゲットとするユーザーで高いエンゲージが狙えるユーザーは限られています。

 

そのため売上の一部を再投資していけば無限に成長ということはもちろんありません。PVがどの程度までいったら成長が鈍化するかはターゲット属性+メディアの特性次第でしょうが、早ければ1000万PV未満というところではないでしょうか。

 

上記の理由から今後キュレーションメディアがとるべきは下記の戦術ではないかと予想しています。



a.編集の質/独自色を強めて提携メディア内での存在感を強化

グノシー、スマートニュースなどのニュースアプリが今後どんどん登場することは正直考えづらいと思うので狙うのであればその中でのヒット率を上げることです。

筆者が思うに今後のキュレーションメディアの世界では、しっかりとした企画力・編集力のあるプレーヤー以外はほとんど生き残らないのではと思います。

逆にいうと質のよいキュレーションメディアはまだまだ少数であると感じますからしっかりとしたレベルの編集者が携われば勝ち目は高いです。

Tabilaboなど一部のメディアでは外部から有力編集者を迎え入れて独自色を高める動きをすでにとっていますね。

キュレーションメディア「TABI LABO」がピボット——佐々木俊尚氏を共同編集長に迎え、モバイル志向のカルチャーメディアに進化 - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)

 

b.純広告、アドネット広告以外のマネタイズに着手

すでにMeryが取り組んでいるECや、旅行系メディアで見られるような送客課金モデルを取り入れることで収益率を向上させる動きがとられるでしょう。

そう考えると旅行系キュレーションメディアで収益化に困っているプレーヤーは買収の対象になりやすいかもしれません。

 

c.コンテンツが無料で集まる仕組みを構築

これはそもそもサイトのコンセプトやシステムを大きく変更することになりますが、成功した場合非常に強いです。

例えばユーザーレシピまとめのCookpadニュース、食べログまとめやママ系QAのママリなどがそれにあたるかと思います。無料でコンテンツ集まるモデルを確立出来ているメディアはいつの時代もやはり強いです。



以上キュレーションメディアについて個人的に思うところをまとめてみました。

すでにiemoのように単純な広告掲載モデルと全く違うところでマネタイズを狙っているメディアも現れていますが、むしろそうでないメディアの方が多数派であるように思います。

おそらく数人でまわして月々何百万位の利益を獲得するには非常においしいモデルな気もしますがアップサイドに限界があるように思いますので今後の各社の動きをウォッチしようと思います。

 

 

ついに上場承認のiid (イード)社のビジネスモデルについて分析してみる。

はじめに

レスポンス、RBB TODAYなど30以上のメディアを運営するiidがついに上場とのこと。
複数業界の多数のメディアを持つメディア・コングロマリット企業として前々から注目していた企業ですが、上場を機に彼らの有価証券報告書の内容を参考に色々と分析したいと思います。


iid(イード)とは?

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・どんな会社?

 

元々は1990年に日産自動車の100%出資子会社としてスタート。
マーケティングリサーチをベースとしたデザインマネジメント・コンサルティング会社として設立されています。

その後2000年にブロードバンド系総合情報サイト「RBB TODAY」の営業権を取得したところからメディア運営の領域にも進出。

その後数々のM&Aを繰り返し、今では7業界34のメディアを運営する企業となっています。

 

・どんな事業

彼らの事業は大きく2つに大別することができます。


▶CMP

・メディア運営及び、自社メディアを使った企業支援(広告掲載など)。

 運営メディアから得られる広告収益を主にマネタイズしていると考えられます。また、企業に対してコンテンツやデータを販売することもあるようです。

 

全保有メディア合算で約1億PVほど。
主要メディアのPV等については下記。

 

レスポンス:54,637
RBB TODAY: 17,049
インサイド:7,992
(単位:千PV)


▶CMS

・インターネットリサーチ、ユーザテストなど
・ECシステムのASP


・事業の特徴

 iidは2000年にメディア運営事業に乗り出して移行、15年で30を超えるメディアを保有するに至っています。その背景にあるのは多数のM&Aです。

彼らは自社が運営するメディアを、自社開発の「iid-CMP」というコンテンツ管理プラットフォームを用いて管理しています。

 各種WEB集客・広告収益に最適化されている点等、様々なメリットがうたわれていますが、なんと言っても筆者が一番注目に値すると感じたのは、「記事交換機能」です。有報から抜粋させていただくと、

掲載されているニュース記事を、「iid-CMP」上の他のWebメディアでも担当編集者の判断で掲載することが出来る機能

 とのことで、要は自社メディアが増えれば増えるほど共有出来る記事が増えるため、メディア同士でシナジーを生むことが出来るわけです。

だからこそ彼らは「2年以内に単月黒字化」という独自の基準を設けています。

 

iid(イード)社のビジネスモデル

 

同社のビジネスモデルは下記のようになっています。



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おそらくベストケースとして考えられるのは、CMP事業(メディア運営)でセグメントされた領域に興味のあるユーザーを囲い→彼らに関するデータを販売 → 彼らがリサーチに参加 

のように両事業がシナジーを生むことかと思います。
そういった意味では「e燃費」などがその例に当たるのではないでしょうか。

■市場分析

有価証券報告書を見ると

 当社グループはコンテンツマーケティング企業としての地位を確立するために・・・

 とありますが、事業の内容を見ると


・メディア運営
・マーケティング・リサーチ

の2つに分けられます。
しかし今後自社メディア網、及びコンテンツ編集力を活かし企業のコンテンツマーケティング支援に乗り出すことも視野に入れての有報での記載だと思いますので

・コンテンツマーケティング支援

 

の市場についても触れておきましょう。

 

・メディア運営の市場規模

→メディア運営については市場規模の天井を測ることは困難ですので割愛します。

 

・マーケティング・リサーチの市場規模

約1800億ほどの市場。インターネットのみで600億弱。

 

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引用元:日本マーケティング・リサーチ協会「第39回経営業務実態調査」

 


・コンテンツマーケティング支援の市場規模

→たいぶ乱暴な予測になりますが。
マーケティング手法の一種ですので、広くは広告市場の一部なので以下のように考えます。

 

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 ※株式会社電通「日本の広告費2013」を参考に筆者が作成。


まだまだ確立されていない市場のため正確な予測は困難ですし、コンテンマーケティングの定義次第な気もしますが、2015-2016にかけては取り急ぎ上記を大きく上回る市場ではないとでしょう。

 

 

収益・コスト分析

・売上・利益率

ここからは有価証券報告書(Iの部)をもとに数字を紐解きます。

まずは売上及び利益率の推移から。

 

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メディア銘柄にしては原価率が高いことがわかります。
営業利益も15%を切っていますね。



・事業別売上:どの収益が大きい?

 

セグメント別に数字をチェックします。

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 CMSの営業利益率の低さが全体の利益率を押し下げている原因のようですね。

 

・どんなコストが発生している


・原価の内訳

 

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 原価の大部分を占めるのは外注費。

 

・販管費

 

販管費の内訳をみると以下のようになっています。

 

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H26にかけて広告に投下した分販管費率があがっていますね。



【結論】iid=コンテンツにしっかりとお金をかけている手堅いメディア企業。成長のポイントは今後のM&A次第か!?

 

営業利益率15%前後と、メディア銘柄としては高収益体質とはいえないものの、堅実に成長が狙えるのではないでしょうか。

 

しかし、

自社メディア30サイト以上の合計で1億PVの内上位3サイトで8000万PV程度を獲得しているため、その他サイトのPVは平均で100万PVを切っているため、まだまだということになります。

M&Aで迎え入れたメディアがヒットするか否かが今後のiidの肝だと思われます。

 

メディア銘柄であればPER50-70倍ついている例が見られますが、iid社の場合は30-40倍に落ち着くのではないか?

 

と勝手に予測をさせていただき、しめとさせていただきます。



秀逸オウンドメディア「弁護士ドットコムNEWS」を分析してみました。<コンテンツマーケティング編>

 はじめに

前回の記事に続き本稿では弁護士ドットコムの成長を支えたコンテンツマーケティングについて分析を行います。(筆者の独自の解釈が含まれますがご容赦ください。)

 

▼前回記事


秀逸メディアと名高い「弁護士ドットコム」を分析してみました。<ビジネスモデル編> - ZOWEB

 

弁護士ドットコムはYahooニュースとも提携しているオウンドメディアである「弁護士ドットコムNEWS」を運営しており、オウンドメディアを集客エンジンとしサービスを成長させてきました。

同サイトの分析を通してコンテンマーケティング成功の秘訣を紐解きたいと思います。

 

全体像

 弁護士ドットコム、そして「弁護士ドットコムNEWS」の関係性は以下のようになっています。

 

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※「みんなの法律相談」もコンテンツマーケティング的な観点からいえば立派な分析対象ですが、今回はオウンドメディアの成功例としてドットコムNEWSにフォーカスすることにします。

 

弁護士ドットコムNEWSが各種ニュースメディアに記事を配信し、トラフィックバックを受けることで法律(法的なもめごと?)に関する見込み客を囲い、大本のサービスである弁護士ドットコムに送客するという構図ですね。


弁護士ドットコムニュースとは?

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弁護士ドットコムニュースは、最近のニュースに対して法律の観点から専門家の解説をつけた記事を配信する法律系ニュースサイトです。

もともとその領域をカバーしているプレーヤーが不在であったためほぼ立ち上げと同時にYahooニュースと提携がスタートしているようです。立ち上げ間もないメディアがメディア界の重鎮と提携出来るケースはかなり稀有な例でしょう。

 

・身近なニュースになぞらえて法律を語っているので受け入れやすい

法律というと無条件に堅苦しい印象がありますが、たとえば同サイトに掲載されている記事をみると以下のようなものです。

 

・ビジネスホテルの「1人部屋」を「ラブホ」代わりに——カップルが使うのは違法?

・47歳男性。妻と「10年間セックスレス」で気が狂いそう――望めば「離婚」できる?

・ろくでなし子さんの「まんこ」発言に裁判官「それ以上続けると意見陳述制限します!」

 

週刊誌的・ワイドショー的なネタを題材にすることでとっつきにくさを払拭しています。元々同社の理念が「専門家をもっと身近に」であることを考えると非常に理念にもマッチしたコンテンツであるといえるでしょう。

 

大本のサービスが法律に関するQAという性質上、サイトとしての認知・信用を獲得するという点でトラフィック以外にもメディア提携で得ているものは大きいと考えられます。



・弁護士ドットコム全体で月間700万訪問者を獲得。直近の3年で9倍の成長!ドットコムニュース単体でも500PV近くを獲得している!?

 

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同社プレスリリースから引用

 

また、少し前のインタビュー記事をみると、

 

弁護士ドットコムトピックス単体で月間訪問者数は200万人、PVは300万を超えることもある。弁護士ドットコム全体では月間訪問者数440万人、PVは1,100万に上る月もある。

 

という記載があります。

2014年2月時点でのインタビューであるため、ここから本体サービスに対する流入はプレスリリースが行われた2015年2月まで大きく変わっていないと想像します。(決算書に広告費に対する投資が見られなかったため。)

 

そのため、仮に弁護士ドットコム本体が240万訪問→350万訪問に成長しているとすると、ドットコムニュースで獲得している訪問数が350万。

 

同様に上記のインタビュー記事から

訪問あたりPVを1.5と読み取り、現在のドットコムニュースのPVを予測すると

350万訪問×1.5PV=525万PV

 

500万PVを超えるニュースメディアに成長していると予測します。

 

日経新聞のインタビュー記事

 

記事本数は月間130本になり、編集部の人員も「もう少し増やすかもしれない」という。これまでの記事が累計で1500本を超えており、

 

という記載があります。

ここから推測すると2015年2月現在約2000本の記事があるわけですが、そう考えると

500万PV÷2000=2500PV

1記事あたり2000PV以上を獲得している計算になりますね。(もちろん実際は記事あたりの偏りがだいぶ大きいでしょうが。)

 

法律+新聞社のバックグラウンドを持つ編集長率いる編集チーム

 

冒頭でも少しご紹介した通り弁護士ドットコムニュースの記事は

 

・前半=時事トピックスの説明

・後半=弁護士が法律の観点からニュースを解説

 

という形式になっており他のニュースメディアと比べると独自性の強いスタイルを持っています。

月間で100本以上の記事を配信している彼らの体制は



5人の社内編集者兼ライターと20人ほどの外部ライターらが記事制作を支える。

出典:http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75600560T10C14A8000000/?df=2

 

とのことで、それを率いるのが
朝日新聞の記者から、J-CASTニュース、ニコニコニュース(ドワンゴ)編集長を歴任という経歴を持つ亀松太郎氏です。

 

亀松氏は以前司法試験への挑戦経験もあるとのこと。そう考えるとこのメディアの編集長として氏以上の適任者は考えられないかもしれませんね。

 

コンテンツマーケティングとしての総合評価

以上弁護士ドットコムの運営する「弁護士ドットコムニュース」にフォーカスし分析しましたが、最後に筆者の独断と偏見に基づき評価を行います。



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  • コンテンツの独自性 :4.5

法律の専門家を囲っている彼らならではのコンテンツであり、ビジョンにもあったコンテンツであることから高い評価。

 

  • コンテンツの質 :4

もと新聞社レベルの編集が携わっている、という点で◎。
法律をもっと身近に、というテーマに沿うのであれば一般ユーザーの声などをうまく取り込むことでより読み応えのあるものになるのでは?



  • コンテンツの量 :3

現在月に130-150本?と予想するが、デイリー4-5本と考えると特段多い本数ではない。ストック性のあるコンテンツに関しては本体サイトに存在しているが(法律相談コンテンツ)スマホからは有料会員のみ、というマネタイズのポイントにしているため、ニュースコンテンツの中にうまくストックできるコンテンツも増やすのがよいのでは。

 

  • コンテンツのデリバリー(波及):4.5

多数の有力WEBメディアとの提携が◎。
ニュースアプリ等での存在感がさらに増せばなおよし。

 

  • コンテンツをつくる体制・組織: 3.5

法律の背景をもった編集長を含む強固なインハウス体制は良。
編集長への依存度が未知!?



秀逸メディアと名高い「弁護士ドットコム」を分析してみました。<ビジネスモデル編>

■はじめに

「専門家をもっと身近に」を理念を掲げ、法律相談ポータルサイトを運営する「弁護士ドットコム株式会社」が2014年末上場を果たしました。

同社はYahoo!トピックスにも頻繁に掲載される日本屈指のオウンドメディアを運営する、言わずと知れたコンテンツマーケティングの勝ち組。

今回は彼らのビジネスモデル及びコンテンツマーケティングについて考察します。
※内容がずいぶん長くなってしまったため、本稿ではまずビジネスモデルや収益分析を行い、後編としてコンテンツマーケティング分析を行います。

 

■弁護士ドットコムとは?

設立は2005年。

もともと大手法律事務所に勤務していた代表の元榮(もとえ)氏が、インターネットを使って法律を一般の人にもっと近づける方法はないか、と考え事業を興したのがきっかけ。

 

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出典:wikipedia


元榮氏も自身が大学生時代に交通事故にあい、その際にどうやって法律のプロに相談していいのかに困った経験から本事業の可能性を信じていたようです。

 

・どんなサービス?

 

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弁護士ドットコムは日本最大級の法律相談ポータルサイト。
離婚、借金、相続といった比較的身近な問題に対して相談出来る弁護士を検索できるポータルサイトです。

2015年2月段階で約7000人以上の弁護士が同サイトに登録していて、これは日本全国の20%に相当します。

 

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サイトに会員登録すると、法律の相談内容を書き込む事ができ、登録弁護士の何人かがそれに対して返答。場合によってはそこから仕事の依頼につながるという仕組みになっています。

 

弁護士ドットコムのビジネスモデル

 

同社のビジネスモデルは下記のようになっています。

 

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参考:弁護士ドットコム「成長可能性に関する説明資料」

 

同社の運営する「税理士ドットコム」はマッチング手数料モデルですが、弁護士ドットコムではマッチングでなく、広告掲載モデルです。サイト内検索時の上位表示やプロフィール詳細表示などですね。


■市場分析

同じく同社発表の「弁護士ドットコム「成長可能性に関する説明資料」を参考に市場について以下考察します。
上記のビジネスモデルで触れたとおり、同サービスの主な課金ポイントは

 

  1. 登録弁護士に対しての広告掲載
  2. 有料会員ユーザー

  

・弁護士に対しての広告課金

 

2015年2月14日現在で弁護士ドットコムには約7900人の弁護士登録があります。
現在日本には3.5万人の弁護士の先生が存在しますから20%強が同サービスに登録済みということですね。

同社の資料にも記載がありますが、そもそも弁護士の世界というのは広告も禁止されていたし、依頼主からいただく報酬も自由化されていなかったそうな。


それが2000年の広告解禁、2004年の報酬の自由化を経て状況が一変。
また、司法試験の制度がかわった、2006年以降弁護士の数が倍増しています。

 

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つまり今後弁護士の先生達はしっかりと自分達をアピールせざるを得ない状況なるわけです。

今後15年をかけてさらに倍増するであろうことを考えると成長市場であると考えられます。



・一般ユーザーへの有料課金

 

そもそも弁護士ドットコムが存在するまでは、法律に関するQAプラットフォームなるものが存在しませんでした。

しかし市民生活を営む上で当然法律に絡む問題は存在していた。つまり多くのユーザーが誰に相談していいかもわからず、弁護士に頼むなんて自分のおさいふ事情を考えると無理、、と諦めてしまっていたわけですね。

 

今後も社会が複雑化していくなかでニーズは増すと考えてよさそうです。



・市場規模

 

弁護士ドットコムが発表している資料の中には

 

2000年:6495億=1人当たり収入3,793万円×17,126人
2010年:9511億=1人当たり収入3,304万円×28,789人


と記載があります。

個人・法人で大きさがだいぶ違うかもしれませんし、海外と比べてみたいところですが、本稿では割愛します。

少し乱暴な記載な気もしますが、
9500億×WEB広告比率15%と過程しても1000億はかたいのではないでしょうか。

競合といえる存在も無い中で上場時の同社の売上が数億円であったことから考えるとまだまだ今後大きく成長が見込めるといえそうです。

 

■収益・コスト分析

 

・売上・利益率の推移

 

ここからは新規上場申請のための有価証券報告書(Iの部)をもとに数字を紐解きます。

まずは売上及び利益率の推移を確認します。

 

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・事業別売上:どの収益が大きい?

次に事業別の売上。

 

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直近の売上拡大・利益率の向上は「弁護士マーケティング支援サービス」の開始によるものであると考えられます。

プラットフォームとして魅力的な規模になるまで弁護士からは課金せずコンテンツとトラフィックを集めて最近課金をスタートした、という構図でしょうか。

 

今のところ登録弁護士の10%程度がマーケティング支援サービスを利用しているようです。

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・どんなコストが発生している?

 

販管費の内訳をみると以下のようになっています。

 

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大部分が給与まわりですね。

課金ポイントが増したH26から販管費率が向上しています。H27以降ももう少し下がりそうですね。

 

今後の展開等

 

いかがでしたでしょうか。
法律の世界のQAサービスという特異なポジションを確立し、これからいよいよ収益化という様子でしたね。

弁護士に留まらず税理士の世界にもヨコ展開しさらなる拡大を狙っている点も評価のポイントでしょう。


上場時に初値が高くつきすぎたためか株価の推移は必ずしも絶好調とはいえないかもしれませんが、、。

 

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とはいえブルーオーシャンである同市場において彼らの存在感は今後も大きくなり続けると考えて間違いないのではないでしょうか。

 

最後に今後の彼らの取り組みをご紹介し締めくくりたいと思います。

 

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出典:http://www.slideshare.net/thekingofnights/201412-com

 


次回は同社の成功の裏にあるコンテンツマーケティングの取り組みについて考察します。

(2/22アップ予定。)

 

ECサイトのメディア化に成功。コンテンツマーケティングの雄「北欧、暮らしの道具店」を分析

はじめに

多くのECサイトが広告費に圧迫され苦しむなか、早くからコンテンツマーケティングに取り組み成功を収めている企業があります。

その名も「北欧、暮らしの道具店」。

多くのメディアで取り上げられ、名前を知っている読者も少なくないのではないでしょうか。

今でこそ売上、閲覧者共に右肩あがりを続けている勝ち組ECサイトとなった彼らですが、一介の北欧雑貨ECサイトに過ぎなかった彼らがなぜここまで成功を収めることが出来たのか?

本稿ではその理由について勝手に分析します。

「北欧、暮らしの道具店」とは?

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IKEAの日本定着以降北欧雑貨が人気を博しています。
実店舗はもちろんのこと、多くのネットショップが北欧雑貨を取り扱うようになりました。

「北欧、暮らしの道具店」もまたそのなかのサイトの1つ。

北欧雑貨を中心に取り扱うセレクトショップとして産声を上げました。

 

以前は百貨店や楽天市場でも出展していたそうですが、高い出店料や広告料に苦しんでいる状況を打破すべくコンテンツマーケティングに乗り出したのです。

 

「北欧、暮らしの道具店」が行っているコンテンツマーケティングの全体像

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トリプルメディアをうまく活用しています。

 

コンテンツマーケティングによってどんな効果が得られているか?

 

コンテンツマーケティングの定義については様々でしょうが、シンプルに

 

見込み客獲得 ▶ 顧客化 ▶ 顧客定着

 

をコンテンツを用いて有無ものである、ととらえた場合以下のような効果を生んでいると考えられます。

 

・見込み客獲得

 

・読み物系ページに、見込みユーザーを誘引

広告に依存していた以前までであれば接触することが出来なかった「すぐには買わないけど次インテリアを買うとしたらここで買おっと」というユーザーの獲得に成功しています。

 

商品にまつわる記事だけでなく、

・勝利のレシピや

http://hokuohkurashi.com/note/75938
http://hokuohkurashi.com/note/73516


・暮らしにまつわるハウツー

http://hokuohkurashi.com/note/77008

 

を配信しています。
今までのKWD連動広告や単ワードのSEO対策では得ることの出来なかったユーザーとの出会いがあるでしょう。

 

・「北欧雑貨」等の人気KWDでも上位表示

公表ではバックリンク対策は行っていないということでしたが、「北欧雑貨」等の人気KWDで検索すると2位の位置につけています。(2015/2/8時点。)

これはコンテンツにナチュラルにリンクが集まった結果であると推測されます。

 

例えば下記のようにリンクが集まっているようですね。

 

・ソーシャル系 (はてぶ、Naver、個人ブログ等)

http://matome.naver.jp/odai/2141092319375596701

http://d.hatena.ne.jp/babyjuma/20140607/1402130352

・メディア紹介(コンテンツマーケ企業として)

http://blog.sixapart.jp/2015-01/ownedmedia-casestudy.html

 

・おすすめショップとして

http://www.saide-magazine.com/tyosatai/bangai/shop.html

 

・顧客化

彼らのサイトとその他サイトで違う点として、圧倒的な商品情報が記載されている点が挙げられます。

 

f:id:hayashi00:20150208145651j:plain

 

単純にサイズや値段等のスペックが記載されているだけでなく、その商品が暮らしのなかでどのように使われるとよいか、がコンテンツとして展開されていてまさに雑誌を見ている感覚に陥ります。


その結果サイトに訪れたユーザーが顧客化する確立も高いと考えられます。

同じ商品であっても「このサイトから買いたい」とすら感じされるクオリティです。


・顧客定着

 

上記でも説明した通り、彼らが提供しているのは商品でなく、その商品が存在することによって得られる「上質な暮らし」を提供しています。

そのため一度購入したユーザーも、「次は何を買い足そうかな、」とリピートにつながるでしょう。

仕組みとして彼らが用いているのは下記の手段です。

 

  • メルマガ
  • Facebook
  • インスタグラム
  • ディスプレイ広告(リマーケティング)


いずれも顧客の再来訪(+ロイヤリティアップ)に一役買っています。



その他面白いと感じた点

 

・コンテンツ生産体制。スタッフ自らつくり上げるハイクオリティコンテンツ

「北欧、暮らしの道具店」は採用の要件に、文章のライティングや写真撮影のスキルを取り入れています。

 

だからこそハイクオリティなコンテンツを内製することが出来るのですね。



・自社に関するデータを何でも公表。

彼らの売上やサイトのトラフィック関連の情報はサイト上からチェックすることが出来ます。

株式会社クラシコム - 会社説明 | Facebook

採用関連のページからリンクされていることが多いので、自分たちのことを徹底的に理解した上で一緒に働くかどうか判断して、的な意味合いでしょうか。

これもコンテンツマーケティングですね。

 

・自社ブランドの展開

もともと彼らはセレクトショップなので、利益構造を考えると難しい面もあるはずです。さすがに同じものを他店の数倍の値段で売ることは出来ませんから。

百貨店ほど大量に仕入れるわけではないので仕入れの交渉力が極端に強いというわけでもないと思います。

 

そもそも雑貨・インテリアというのは一定頻度で必要になる、絶対に必要、というものではありませんから商売として難しい。

 

そこで彼らが乗り出しているのが自社ブランドの展開です。

(※全然別の理由かもしれません。あしからず。。)

 

それがこのジャム。

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出展:http://hokuohkurashi.com/note/68356


自社商品であるからこそ価格のコントロールも出来ますし、なくなってしまうのでファンならリピートするかも。

ただ商品を売るのでなく、「憧れの暮らし」を売っている彼らならではの戦略であると感じました。


■終わりに

 

コンテンツマーケティングが今のように流行り言葉になる前から彼らのように腰を据えて取り組んでいた例も少なくないはずです。今後も本ブログでは良質な例を継続してい取り上げていく予定です。

 

※分析しながらサイトを見ていたら私も何か買いたくなってしまいました。

 

マイクロタスク型クラウドソーシングってどうなの??リアルワールドの戦略と今後の成長性について考えてみた。

はじめに

前回のクラウドワークスに続きクラウドソーシング銘柄つながりということで、今回の分析対象はGendama、Growd等を手がける「リアルワールド」。

クラウドソーシング銘柄としては第一号の上場でしたが、果たしてどんなビジネスモデルで今後の成長の余地はいかほどなのか。分析してみたいと思います。

 

そもそもリアルワールドってどんな会社?

公式サイトを訪れるとがらっとクラウドソーシング色を強めたものになっているが、

元々彼らの収益の元はポイントサイト事業です。

ネット上のユーザーに対して各種サービスの申し込みを促し、ポイントを付与。その際に依頼主の会社からの支払から一部マージンをぬくモデル。

 

▽沿革

公式サイトに詳しい記載がありますが、

平成17年の設立と同時にポイントサイトの「Gendama」をスタート。

平成23年にサイバーエージェントより同じくポイントサイトの「ライフマイル」を譲受している。

 

クラウドソーシングサービスの「CROWD」をスタートしたのは平成20年のこと。

※今から7年前のスタートと考えると先見の明はあったとかんがえるべきか。


▽競合

競合として挙げられるのは同じくポイントサイトを運営するセレス(モッピー)や、WEBアンケートでポイントを付与しているライフメディア等でしょうか。

クラウドソーシングとしての競合は、クラウドワークス、ランサーズ。マイクロタスク中心のクラウドソーシングという意味では、shuftiサグーワークスあたりが競合でしょうか。

 

リアルワールドのビジネスモデル

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事業はクラウド事業とポイントエクスチェンジ事業の2つのセグメントにわかれています。

クラウド事業の中に、ポイントサイト運営とクラウドソーシングが入っています。

※ポイントエクスチェンジ事業は売上貢献度的にあまり高くないので本稿では分析対象外。

 

クラウド事業

■クラウドメディア事業(Gendama、ライフマイル)

サービスに登録している一般ユーザーに対して、

「クレジットカードを申し込む」のようなアクションをとってもらいユーザーに報酬を支払い。会社は依頼主からの支払いの一部をマージンとして売上に。

 

■クラウドソーシング

データ入力等誰にでも簡単できるに仕事(=マイクロタスク)をすることでポイントをゲット。

クライアント企業からの支払い-ユーザーに対しての報酬が会社の利益に。

受託モデルですね。

 

収益分析

直近3年の売上及び利益の推移を見ると順調に伸びているようです。

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(単位:千円)



上のチャートを見てもわかるように利益率が低そうです。

PLを確認すると下記のようになっています。

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(単位:千円)

 

粗利率45%営業利益率は7%。

セグメント別に売上の数字をみると下記のようになっています。

 

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ポイント事業依存から生じる低い営業利益率。

 

ポイントサイトはビジネスモデルとして、登録ユーザーのアクションに対してポイントを支払い、事業者の利益は依頼主からの支払いの差分です。

そのためユーザー、案件が増えても原価がかかり続けます。

現状は9割近い売上をポイントサイト事業(クラウドメディアサービス)に依存しているため利益率としては高くはなりませんね。

その他メディア系企業が40%代の営業利益率をたたき出していることを考えると厳しい数字かなと思います。

 

クラウドソーシング事業の場合はリアルワールドがディレクターとして入るため一定のマージンを確保できるのでポイントサイト事業よりもましな利益率になりそうですが、マイクロタスク中心の案件を扱っているためそこまで高い利益率が確保できるのかについては未知。

 

リアルワールドの今後

同社の掲げる成長戦略は下記です。

※以下もろもろのデータは2014年9月期決算説明会資料より抜粋

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簡単にいうと下記の3ステップ。

  1. 【ユーザー獲得】
    クラウドメディア事業でユーザー数を増やし、
    獲得したユーザーをクラウドソーシング働き手として送客。
  2. 【クラウドソーシングの単価アップ】
    BPO領域に参入し案件の単価をアップさせる。
  3. 【グローバル展開】
    上記のBPO領域のノウハウを仕組み化して
    グローバルに展開。(東南アジア人材 × 欧米企業)

 

ユーザーの獲得

実は同社が掲げている上記成長戦略は、それが上場前に発表された時点で第一ステップの「ユーザー獲得は完了済み」という説明であった。

この説明はなかなかうまく言ったもので、
元々市場に見方として「ポイントサイト事業ってもう伸びないんじゃないの?」とアップサイドを疑う声が多数派でした。(筆者の主観ですが。)

事実同社が発表しているクラウドメディアの登録ユーザー数はすでに市場の飽和感を示しています。

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しかも同社は800万以上のユーザーを囲っているという発表をしていたが、これはGendamaとライフマイルの重複を加味していないものなのではないかと感じます、、、。

つまり同社は、「うちはポイントサイト事業を通して獲得したユーザーを活かして
クラウドソーシングで成長します」と高らかに宣言したわけですね。

●クラウドソーシングの単価アップ

マイクロタスク型のクラウドソーシングについても市場の声は当初割れていた。
(今もそうなのでしょうか。。)

どういうことかというと

マイクロタスク=体験談のライティングやアンケート回答等単純作業


と考えると提供出来る付加価値に限界があり、大した利益率も出せないのでは?
という考え方です。

そこで同社が進出したのがBPOの領域。
主に「データクレンジング」という領域のようです。


データクレンジング?

巨大なECサイトのように膨大なページ・商品が存在する会社は正しいデータが入力されているかをチェックするだけでも相当な手間がかかります。
機械的にやろうにもなかなか完璧にやりきれないものなのでどうしても人の手がかかる。

現状そういった企業は自社でアルバイトさんや派遣さんに作業を依頼しているようですが、「それをうちでやりましょう!」というのがリアルワールド。

単なるデータ入力作業でなく、データベース内のデータ最適化作業と
して受託することで付加価値も高まるため利益率も高い。

しかも2014年同社はその足掛かりとしてオークファンと業務資本提携済み。
クライアントのサービスにぐっと入りこむ形をとることでスイッチングコストを高くしています。

今後はそのようなケースを増やしていくために法人営業を強めるのが彼らの直近の
営業戦略でしょう。


蓄積されたノウハウを持ってグローバルに打って出る

同社の戦略はビックデータ産業の関連産業として一定の比率で成長する。
そう考えるとニーズは世界中にある。

この考えに基づき、労働力を東南アジアから調達、クライアントを欧米で開拓するというのが彼らの目論見。

もちろん同じような考えを持つ会社は欧米を中心に多数存在するはずなので、
同領域でノウハウを確立し、スピード感を持って展開するのがポイントなのではと思います。

 

 

上場を果たしたクラウドワークスのビジネスモデルと今後のテーマについて改めて分析してみた

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クラウドソーシングの雄「クラウドワークス」上場

年もあけてしまいかなり今さら感がありますが、筆者の興味領域である「コンテンツマーケティング」とも関連の強いクラウドソーシングの雄であるクラウドワークスさんビジネスを決算書を元に勝手に分析した上で今後の日本におけるクラウドソーシングの未来について考えてみようと思います。

目次

・会社/サービス概要
・ビジネスモデル
・収益/コスト構造
・今後の予想

クラウドワークス会社&サービス概要

言わずもがなですが簡単に下記にまとめます。

・2011年末に創業したクラウドソーシングを推進する会社

▽クラウドソーシングのイメージ

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(出所)同社発表「成長可能性に関する説明資料」

簡単にいうと企業が個人に仕事を依頼するという新しいアウトソーシングのあり方、及びワークスタイル。

  • 元ドリコム社長の吉田氏が立ち上げ、競合のランサーズと共に日本のクラウドソーシング業界を牽引
  • 2014年11月に上場。創業から短期での上場
  • 今後数年で7倍近い成長とも言われるクラウドソーシングという概念自体に注目が集まっている。
    ※矢野経済研究所「クラウドソーシングサービス市場に関する調査結果 2014」より引用

 

クラウドワークスのビジネスモデルはプラットフォームと受託の2通り

 

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あまりきれいなピクト図解ではありませんが上記のようになります。

 

収益構造について

上記に図解したとおりクラウドワークスの事業は「プラットフォームサービス」と「エンタープライズサービス」の2通りで構成されています。

プラットフォームサービス
いわゆるマルチサイドプラットフォームモデル。発注者と受託者を直接契約させて、納品に至ったら受託者から手数料を収受。

・エンタープライズサービス
企業が案件をクラウドワークスに直接発注。クラウドワークスが案件をワーカーに再委託し差額の利益を「進行管理手数料」という名目で収受。

収益構成をみてみましょう。

 

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※有価証券報告書第3期のデータを元に作成。

上記チャートを見てもわかるようにエンタープライズサービスの伸びが顕著です。
プラットフォームサービスの手数料よりも高い利益率設定で受託形式の案件を増やしていることが伺えます。もちろんその分営業マンやディレクターを抱える必要がありますが、1人あたり営業利益を見るとその点についても問題ないようです。大企業相手に十分な利益を確保出来ている受託案件が多いということでしょうか。

 

コスト構造の内訳について分析

営業費用の内訳を、同じく有価証券報告書-第3期のデータを用いてチャートにしたものが下記。

 

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エンタープライズモデル確立のための人件費増加
会員獲得のための広告宣伝費の増加

といったところでしょうか。

 

クラウドワークスの今後についての勝手な予想
肝はワーカーの実力の可視化か。

設立3年で上場までいったスピード感と彼らが目指したい世界観は素晴らしいと個人的に感じます。

リアル・ワールドにPER50倍がついているとかんがえるともう少し高いPERがついてもいいのになと感じますが、、。
さて、問題は今後彼らがどう成長するかです。

筆者が個人的に考える今後のクラウドワークス(クラウドソーシング業界の)KWDは下記です。

・成約率
・ワーカーの成長
・ワーカーの評価

成約率を上げない限りはプラットフォームとして大きく成長することは難しい。

現状の売上を見ると上記のチャートで示したとおり現状ではエンタープライズが占める割合が多いです。


今はクラウドソーシングの価値を説いて回る意味でもまずエンタープライズを一時的に拡大してもいいかなと感じます。

しかし、どこかのタイミングでプラットフォーム事業で大きく売上を確保する必要があります。
その場合もポイントは「成約率」。仕事のマッチング率ともいえるでしょうか。

矢野経済研究所の推計によると「2013年の約246億円から2017年には約1437億円へと約6倍に成長する」とのことです。

しかし上記の数字は仕事として成約に至らなかった金額も含む総額。実際にクラウドワークスのような事業者の売上になるのは

仕事の総額×成約率×手数料率

です。
手数料率を大幅に増えることはないと考えられますからどれだけ仕事のマッチングが行われるかがポイントです。

・マッチングが起きるためには信頼のおけるユーザーの確保と紹介の仕組みが必要

こちらの記事で代表の吉田氏も言っていますが、今後クラウドソーシングに求められるのはユーザーの信頼性です。

どこも馬の骨ともわからない人に企業が仕事を依頼することは考えづらい。

信頼性を担保するためにユーザーの実力や実績を可視化する試みも必要でしょう。

そして、可視化するだけでなく、案件に対して適切なユーザーが紹介される仕組みが必要です。
過去の実績や実力を元にしたビックデータ解析によるマッチングアルゴリズムですね。

そうすることが出来ればユーザーが「使われる」という力関係でなく、適切な実力を持ったユーザーに適切なFeeが支払われる理想的な世界観が成り立ちます。

 

すでに同社はユーザーに対する教育にも乗り出しているようですし、
「フリーランスに対して社会基盤になる」とも宣言していますから方向性として安心できそうです。


まだまだ産声を上げたばかりの本市場が本当に予測通りに成長するのか。クラウドワークスの活躍に依る部分は少なくなさそうです。