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バーチカルメディアの3C分析で読み解く。 日本のリノベーション業界で勝つのは誰だ??

■はじめに

先日WEB業界で大きなニュースとなったDeNaによるiemo買収。
日本版Houzzを標榜し、わずか立ち上げ9ヶ月でここまでサービスを成長させた代表村田氏を中心とする チームとDeNa資金及び開発力が出会ったことで日本市場におけるリノベーション市場の覇者はiemoに なるというのが大方の予測になっているように思う。
しかし本記事ではあえてフラットな目線で日本における当該市場でのプレーヤーを分析し、海外でのモデルサイトとなっている「Houzz」とも比較することで 誰が日本市場における覇者になるのかを分析する。

■目次

  • Houzzについて。そもそも何がすごいのか?
  • 日本における主要プレーヤー
  • 総評:現時点で一番houzzに近いのは?

Houzzがすごい理由はバーチカルメディアの3Cを兼ね備えているから

以前

知らないと恥ずかしい!2014年、今一番知っておくべきイケてるWEBメディア「Houzz」研究 - ZOWEB

にてHouzzのビジネスモデルやサイト の構造を分析したが、少し見方を変えてHouzzがなぜここまですごいと言われているかを解説したい。

シリコンバレーにあるベンチャーキャピタルKPCBのパートナーである、Mary Meekerのインターネットトレンドレポートに登場する「バーチカルメディア3C」のフレームワークを用いて分析をする。


・バーチカルメディアの3Cとは

Contents(コンテンツ)
Community(コミュニティー)
Commerce(コマース)

の3つを兼ね備えていることがバーチカルメディア成功のための法則であるという考え方。
本記事では上記3Cをベースにコンテンツの部分を、コンテンツ(生産)とコンテンツ(拡散)の2つにわけて分析をする。

 

Houzzを分析すると以下のようになる。

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このようにHouzzはバランス良くすべてを兼ね備えている。

コンテンツをもとにしてコミュニティが生まれ、質のよいサイト滞在を生み、そこからシームレスなコマースが行われる、という流れだ。

それでは次章で日本内プレーヤーについても同じように分析をしてみよう。

 

日本における主要プレーヤー。iemo VS suvaco

本記事ではiemoに加えて、suvacoを現時点での主要プレーヤーとして挙げる。それでは両社について詳細にみていこう。

・iemo

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・概要

▽立ち上げ
2013年12月18日

▽運営者
iemo株式会社。
シリアルアントレプレナー村田マリ氏を中心とするスタートアップ。
村田氏の出身であるサイバーエージェント出身者や元AllAbout編集長などを擁する。

▽サイト・サービス概要
インテリアや生活に関するまとめ記事投稿サイト。
気に入った写真やまとめ記事をスクラップブックできる。

・iemo 3C分析結果

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コンテンツに関してはキュレーションアプリAnntenaに配信しているためトラフィックを獲得出来ている点とFBからの大量流入を得られている。
人気のまとめ記事に4桁台のいいねがついている例もある。

 

▽このように4桁いいながつく記事はザラ。

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iemoの事業内容は「家づくりのプラットフォーム運用」とされているが、まとめ記事に関してはストイックにインテリア・リフォームだけでなく比較的生活のアイディア的な ライトな読み物を含む。


・suvaco

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・概要

▽立ち上げ
2013年7月24日

▽運営者
メリルリンチの中田寿氏を中心とするスタートアップ。
コンサル・出版・WEB開発出身者などからなるチーム構成。
※グループサイトのリノベりすは出版社の扶桑社と共同運営。


▽サイト・サービス概要
ユーザーと建築家のマッチングサイト。
建築家等による作品事例写真がカタログサイトのように並ぶ。


・suvaco 3C分析結果

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コンテンツについては雑誌クオリティのきれいな写真が並ぶがユーザージェネレートではない。Mary Meekerのいうコンテンツ=ユーザーが生み出す+プロ視点という定義から判断すると△か。

コミュニティ要素に関しては現時点ではなし。単純に資料請求への導線。

総評:現時点ではやはりiemoが最有力

iemoとsuvacoどちらが日本のいえづくりプラットフォーム勝者に近いかに関しては”現時点ではiemoに軍配を上げざるを得ない。

理由として感じたのは下記。

(一般+プロの)コンテンツ生産→コミュニティの形成がうまくいっている。
コンテンツを広くデリバリー(拡散)できている。

住宅・インテリアの領域に特化したバーチカルメディアとして必要な要素をしっかりと含んでいるということだ。

しかしiemoがこのまままっすぐに進めばHouzzになれるというわけではないように思う。

なぜか。

それはiemoが扱っているコンテンツの質にある。

iemoは立ち上げから1年足らずでPVの拡大に成功している。どんなコンテンツを用いてユーザーを獲得したのか?サイト上で人気になっているコンテンツを見るとわかる。

・オレンジハニーバターの作り方『やる気のない朝』を元気にしてくれる♪頼もしい朝食
・水を入れるだけなんてもったいない!製氷皿のいろんな使い道教えます。
・それ捨てないで!お菓子のシリカゲル(乾燥剤)だって徹底的に再利用しよう
・楽しすぎてやめられない♪はぎれを使ったカラフルでかわいいロープの編み方。頭がからっぽになる
よ!
・あるもので可愛く焼き上がり?お菓子の型を簡単・意外な方法でつくっちゃおう☆

上記は2014/10/25時点での人気まとめ記事の上位に上がっていた記事を上から順に抜き出したもの。

みての通り住宅・インテリアのまとめ記事、というよりは生活の知恵系コンテンツがほとんどだ。

 

つまりiemoは自身でも公言している通り、既存の女性誌をリプレースする形でユーザーを獲得している。少し暴な言い方をすれば、暇な時間になんとなく好きなインテリアや暮らしの知恵がおしゃれにかわいく記事になっているからiemoを閲覧しているのであって、家をリフォームしたいからそのネタ探しにiemoを閲覧しているというユーザーは少数派だろう。

そこに対してリフォーム事業者とのマッチング機能を追加したとしてどの程度マッチングが活性化するかは正直不明だが、Houzzのようにはいかはずだ。

 

また、先日レシピブログとの提携がニュースになっていたが、それをきくとなおさらiemoをピュアな家づくりプラットフォームにするのではなく、ある種の女性向けニュースサイトのようなものにする目的なのかと個人的に感じた。

逆にsuvacoでいうと、サイトに掲載されている情報は完全にリフォーム目的ユーザーがターゲットのものだけである。その分コンテンツのデリバリー・拡散に苦戦しているのだろう。

Rommieでキュレーターとして記事を書くなどして、検索流入以外のトラフィックも獲得する努力はしているようだがiemoと比べるとPVが見劣りするはずだ。

 

▽Roomieでキュレーターとして記事連載。月数本ペース。

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今後suvacoがCGM要素のあるコンテンツ生成をうまくサービスに取り入れることに成功すれば巻き返しもゼロではないのではと感じる。

いずれにしても両社ともにこのままいけばかならずOKというレベルには達していないというのが私としての所感。
新規参入者の可能性も含め、今後本市場にどのような展開がおきていくのかをウォッチしたい。