ZOWEB

色んな会社のビジネスモデルを調べるブログ

不動産仲介手数料ゼロを実現した異端児。ヘヤジンプライムのビジネスモデルとは?

はじめに

不動産業界は巨大な産業であるにも関わらず以前から買い手側に情報が十分に与えられていないイケていない業界の代表格でした。しかし昨年2013年頃から本市場に風穴を開けようと奮起しだしたスタートアップが登場しています。

今回は遂に「仲介手数料ゼロ円」を実現した不動産賃貸の異端児、「ヘヤジンプライム」をご紹介します。

目次

  • ヘヤジンプライムとは?
  • ビジスモデル考察
  • 最後に(課題や改善点)

ヘヤジンプライムとは?

f:id:hayashi00:20141123134755p:plain

「ヘヤジンプライム」とは2014年11月にサービスをスタートしたばかりの賃貸ポータルサイト。手がけるのはその名も「イタンジ株式会社」。同社HP上には

イタンジは、ITを使って不動産業界に革新をもたらすことを目的として設立されました。

との記載があり。まさに旧態然として不動産業界に風穴をあける異端児であるようです。

CTOの将積氏はもともと「賃貸360°」というサイトを運営している方で、そこでは出来なかったことをやるために立ち上げたのがイタンジのようですね。

参考:僕がHEYAZINEを作った理由 ~ イタンジ株式会社 取締役CTO 将積健士

 

▽CTOの将積氏

f:id:hayashi00:20141123134402j:plain

画像引用元:http://heyazine.com/article/20130610


・サービスの特徴やポイント

何と言っても一番のポイントはヘヤジンプライムを通して部屋を決めると、今まで引っ越し時の悩みのタネであった不動産仲介手数料が無料であること。大体どの業者さんも家賃1ヶ月分の手数料とっていきますよね。

またネットから内見予約が出来て、当日は業者無しで自分だけで内見が出来る「セルフ内見」なるサービスもユーザーにとっては嬉しいポイントでしょう。

そもそも仲介手数料が発生する仕組みは?なぜヘヤジンプライムはそれを無料に出来たのか?

通常は一般のユーザーが不動産を借りる場合、不動産仲介会社が借り手からも貸し手からも手数料を得るのが一般的でした。つまり二重に手数料をとっていたわけです。

 

不動産オーナー

↓(手数料)

不動産仲介会社

↑(手数料)

借り手

 

そこで同社は実店舗を持たないことを始めとした様々なコストを抑えることで借り手から手数料を取らないモデルを確立したのです。

ヘヤジンプライムのビジネスモデル

ビジネスモデルについては下記のようになっていると考えられます。

 

f:id:hayashi00:20141123134528j:plain


※仲介手数料と広告費用

不動産仲介業者は法律で不動産の貸し手からとれる手数料を1ヶ月分までと規定しています。

しかし、例外規定として貸し手が広告費を払うことは許しています。

つまり不動産オーナーからしたら他の物件よりも自分の物件を優先的に借りてに紹介してほしいので多めにマージンを渡すからよろしく。という仕組みになっています。

今後に関して課題や改善点など

・広告費用の出ない物件を紹介する場合赤字問題

これはCTOの将積氏も自身のブログで書いている通りですが、借り手からほぼお金をとっていない以上、収益上は仲介会社からの手数料に頼ることになります。

しかし、物件によっては不動産オーナーが広告費用を全く払わないケースも存在するので、低コストとはいえそういった物件を紹介してしまうと赤字です。


しかしヘヤジンプライムの場合はとにかくユーザー視点を貫くことがポリシーのようなので、そういった赤字案件でも進んで紹介する姿勢なのだとか。

 

・サイト上の物件情報が物足りないケースも

 

試しに筆者もサイトに登録して使用してみました。

憧れの豊洲の物件を検索してみましたが、掲載されている情報はあまりにも簡素で正直問い合わせしたいと思えるものではありませんでした。

※他社のサイトと比べる違いが伝わるかと。

▽ヘヤジンプライム

f:id:hayashi00:20141123134645j:plain


▽同物件情報@アクセルホーム

f:id:hayashi00:20141123134716j:plain

 

同社は不動産仲介業者向けに管理システムを提供していますが、もしかしたらサイトに掲載する情報がそれと連動していること原因なのか?

※仲介業者さんがあまりしっかりと情報を入れていないとか?

 

いずれにしてもユーザー視点をとにかく追求しているのであればサイトに掲載する情報はリッチにしていくべきだと思いますね。

2013年設立のまだまだ出来立ての会社なので今後色々な改善があるのでしょう。