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WEBとかビジネス時々育児

マイクロタスク型クラウドソーシングってどうなの??リアルワールドの戦略と今後の成長性について考えてみた。

はじめに

前回のクラウドワークスに続きクラウドソーシング銘柄つながりということで、今回の分析対象はGendama、Growd等を手がける「リアルワールド」。

クラウドソーシング銘柄としては第一号の上場でしたが、果たしてどんなビジネスモデルで今後の成長の余地はいかほどなのか。分析してみたいと思います。

 

そもそもリアルワールドってどんな会社?

公式サイトを訪れるとがらっとクラウドソーシング色を強めたものになっているが、

元々彼らの収益の元はポイントサイト事業です。

ネット上のユーザーに対して各種サービスの申し込みを促し、ポイントを付与。その際に依頼主の会社からの支払から一部マージンをぬくモデル。

 

▽沿革

公式サイトに詳しい記載がありますが、

平成17年の設立と同時にポイントサイトの「Gendama」をスタート。

平成23年にサイバーエージェントより同じくポイントサイトの「ライフマイル」を譲受している。

 

クラウドソーシングサービスの「CROWD」をスタートしたのは平成20年のこと。

※今から7年前のスタートと考えると先見の明はあったとかんがえるべきか。


▽競合

競合として挙げられるのは同じくポイントサイトを運営するセレス(モッピー)や、WEBアンケートでポイントを付与しているライフメディア等でしょうか。

クラウドソーシングとしての競合は、クラウドワークス、ランサーズ。マイクロタスク中心のクラウドソーシングという意味では、shuftiサグーワークスあたりが競合でしょうか。

 

リアルワールドのビジネスモデル

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事業はクラウド事業とポイントエクスチェンジ事業の2つのセグメントにわかれています。

クラウド事業の中に、ポイントサイト運営とクラウドソーシングが入っています。

※ポイントエクスチェンジ事業は売上貢献度的にあまり高くないので本稿では分析対象外。

 

クラウド事業

■クラウドメディア事業(Gendama、ライフマイル)

サービスに登録している一般ユーザーに対して、

「クレジットカードを申し込む」のようなアクションをとってもらいユーザーに報酬を支払い。会社は依頼主からの支払いの一部をマージンとして売上に。

 

■クラウドソーシング

データ入力等誰にでも簡単できるに仕事(=マイクロタスク)をすることでポイントをゲット。

クライアント企業からの支払い-ユーザーに対しての報酬が会社の利益に。

受託モデルですね。

 

収益分析

直近3年の売上及び利益の推移を見ると順調に伸びているようです。

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(単位:千円)



上のチャートを見てもわかるように利益率が低そうです。

PLを確認すると下記のようになっています。

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(単位:千円)

 

粗利率45%営業利益率は7%。

セグメント別に売上の数字をみると下記のようになっています。

 

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ポイント事業依存から生じる低い営業利益率。

 

ポイントサイトはビジネスモデルとして、登録ユーザーのアクションに対してポイントを支払い、事業者の利益は依頼主からの支払いの差分です。

そのためユーザー、案件が増えても原価がかかり続けます。

現状は9割近い売上をポイントサイト事業(クラウドメディアサービス)に依存しているため利益率としては高くはなりませんね。

その他メディア系企業が40%代の営業利益率をたたき出していることを考えると厳しい数字かなと思います。

 

クラウドソーシング事業の場合はリアルワールドがディレクターとして入るため一定のマージンを確保できるのでポイントサイト事業よりもましな利益率になりそうですが、マイクロタスク中心の案件を扱っているためそこまで高い利益率が確保できるのかについては未知。

 

リアルワールドの今後

同社の掲げる成長戦略は下記です。

※以下もろもろのデータは2014年9月期決算説明会資料より抜粋

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簡単にいうと下記の3ステップ。

  1. 【ユーザー獲得】
    クラウドメディア事業でユーザー数を増やし、
    獲得したユーザーをクラウドソーシング働き手として送客。
  2. 【クラウドソーシングの単価アップ】
    BPO領域に参入し案件の単価をアップさせる。
  3. 【グローバル展開】
    上記のBPO領域のノウハウを仕組み化して
    グローバルに展開。(東南アジア人材 × 欧米企業)

 

ユーザーの獲得

実は同社が掲げている上記成長戦略は、それが上場前に発表された時点で第一ステップの「ユーザー獲得は完了済み」という説明であった。

この説明はなかなかうまく言ったもので、
元々市場に見方として「ポイントサイト事業ってもう伸びないんじゃないの?」とアップサイドを疑う声が多数派でした。(筆者の主観ですが。)

事実同社が発表しているクラウドメディアの登録ユーザー数はすでに市場の飽和感を示しています。

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しかも同社は800万以上のユーザーを囲っているという発表をしていたが、これはGendamaとライフマイルの重複を加味していないものなのではないかと感じます、、、。

つまり同社は、「うちはポイントサイト事業を通して獲得したユーザーを活かして
クラウドソーシングで成長します」と高らかに宣言したわけですね。

●クラウドソーシングの単価アップ

マイクロタスク型のクラウドソーシングについても市場の声は当初割れていた。
(今もそうなのでしょうか。。)

どういうことかというと

マイクロタスク=体験談のライティングやアンケート回答等単純作業


と考えると提供出来る付加価値に限界があり、大した利益率も出せないのでは?
という考え方です。

そこで同社が進出したのがBPOの領域。
主に「データクレンジング」という領域のようです。


データクレンジング?

巨大なECサイトのように膨大なページ・商品が存在する会社は正しいデータが入力されているかをチェックするだけでも相当な手間がかかります。
機械的にやろうにもなかなか完璧にやりきれないものなのでどうしても人の手がかかる。

現状そういった企業は自社でアルバイトさんや派遣さんに作業を依頼しているようですが、「それをうちでやりましょう!」というのがリアルワールド。

単なるデータ入力作業でなく、データベース内のデータ最適化作業と
して受託することで付加価値も高まるため利益率も高い。

しかも2014年同社はその足掛かりとしてオークファンと業務資本提携済み。
クライアントのサービスにぐっと入りこむ形をとることでスイッチングコストを高くしています。

今後はそのようなケースを増やしていくために法人営業を強めるのが彼らの直近の
営業戦略でしょう。


蓄積されたノウハウを持ってグローバルに打って出る

同社の戦略はビックデータ産業の関連産業として一定の比率で成長する。
そう考えるとニーズは世界中にある。

この考えに基づき、労働力を東南アジアから調達、クライアントを欧米で開拓するというのが彼らの目論見。

もちろん同じような考えを持つ会社は欧米を中心に多数存在するはずなので、
同領域でノウハウを確立し、スピード感を持って展開するのがポイントなのではと思います。