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WEBとかビジネス時々育児

ついに上場承認のiid (イード)社のビジネスモデルについて分析してみる。

はじめに

レスポンス、RBB TODAYなど30以上のメディアを運営するiidがついに上場とのこと。
複数業界の多数のメディアを持つメディア・コングロマリット企業として前々から注目していた企業ですが、上場を機に彼らの有価証券報告書の内容を参考に色々と分析したいと思います。


iid(イード)とは?

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・どんな会社?

 

元々は1990年に日産自動車の100%出資子会社としてスタート。
マーケティングリサーチをベースとしたデザインマネジメント・コンサルティング会社として設立されています。

その後2000年にブロードバンド系総合情報サイト「RBB TODAY」の営業権を取得したところからメディア運営の領域にも進出。

その後数々のM&Aを繰り返し、今では7業界34のメディアを運営する企業となっています。

 

・どんな事業

彼らの事業は大きく2つに大別することができます。


▶CMP

・メディア運営及び、自社メディアを使った企業支援(広告掲載など)。

 運営メディアから得られる広告収益を主にマネタイズしていると考えられます。また、企業に対してコンテンツやデータを販売することもあるようです。

 

全保有メディア合算で約1億PVほど。
主要メディアのPV等については下記。

 

レスポンス:54,637
RBB TODAY: 17,049
インサイド:7,992
(単位:千PV)


▶CMS

・インターネットリサーチ、ユーザテストなど
・ECシステムのASP


・事業の特徴

 iidは2000年にメディア運営事業に乗り出して移行、15年で30を超えるメディアを保有するに至っています。その背景にあるのは多数のM&Aです。

彼らは自社が運営するメディアを、自社開発の「iid-CMP」というコンテンツ管理プラットフォームを用いて管理しています。

 各種WEB集客・広告収益に最適化されている点等、様々なメリットがうたわれていますが、なんと言っても筆者が一番注目に値すると感じたのは、「記事交換機能」です。有報から抜粋させていただくと、

掲載されているニュース記事を、「iid-CMP」上の他のWebメディアでも担当編集者の判断で掲載することが出来る機能

 とのことで、要は自社メディアが増えれば増えるほど共有出来る記事が増えるため、メディア同士でシナジーを生むことが出来るわけです。

だからこそ彼らは「2年以内に単月黒字化」という独自の基準を設けています。

 

iid(イード)社のビジネスモデル

 

同社のビジネスモデルは下記のようになっています。



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おそらくベストケースとして考えられるのは、CMP事業(メディア運営)でセグメントされた領域に興味のあるユーザーを囲い→彼らに関するデータを販売 → 彼らがリサーチに参加 

のように両事業がシナジーを生むことかと思います。
そういった意味では「e燃費」などがその例に当たるのではないでしょうか。

■市場分析

有価証券報告書を見ると

 当社グループはコンテンツマーケティング企業としての地位を確立するために・・・

 とありますが、事業の内容を見ると


・メディア運営
・マーケティング・リサーチ

の2つに分けられます。
しかし今後自社メディア網、及びコンテンツ編集力を活かし企業のコンテンツマーケティング支援に乗り出すことも視野に入れての有報での記載だと思いますので

・コンテンツマーケティング支援

 

の市場についても触れておきましょう。

 

・メディア運営の市場規模

→メディア運営については市場規模の天井を測ることは困難ですので割愛します。

 

・マーケティング・リサーチの市場規模

約1800億ほどの市場。インターネットのみで600億弱。

 

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引用元:日本マーケティング・リサーチ協会「第39回経営業務実態調査」

 


・コンテンツマーケティング支援の市場規模

→たいぶ乱暴な予測になりますが。
マーケティング手法の一種ですので、広くは広告市場の一部なので以下のように考えます。

 

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 ※株式会社電通「日本の広告費2013」を参考に筆者が作成。


まだまだ確立されていない市場のため正確な予測は困難ですし、コンテンマーケティングの定義次第な気もしますが、2015-2016にかけては取り急ぎ上記を大きく上回る市場ではないとでしょう。

 

 

収益・コスト分析

・売上・利益率

ここからは有価証券報告書(Iの部)をもとに数字を紐解きます。

まずは売上及び利益率の推移から。

 

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メディア銘柄にしては原価率が高いことがわかります。
営業利益も15%を切っていますね。



・事業別売上:どの収益が大きい?

 

セグメント別に数字をチェックします。

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 CMSの営業利益率の低さが全体の利益率を押し下げている原因のようですね。

 

・どんなコストが発生している


・原価の内訳

 

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 原価の大部分を占めるのは外注費。

 

・販管費

 

販管費の内訳をみると以下のようになっています。

 

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H26にかけて広告に投下した分販管費率があがっていますね。



【結論】iid=コンテンツにしっかりとお金をかけている手堅いメディア企業。成長のポイントは今後のM&A次第か!?

 

営業利益率15%前後と、メディア銘柄としては高収益体質とはいえないものの、堅実に成長が狙えるのではないでしょうか。

 

しかし、

自社メディア30サイト以上の合計で1億PVの内上位3サイトで8000万PV程度を獲得しているため、その他サイトのPVは平均で100万PVを切っているため、まだまだということになります。

M&Aで迎え入れたメディアがヒットするか否かが今後のiidの肝だと思われます。

 

メディア銘柄であればPER50-70倍ついている例が見られますが、iid社の場合は30-40倍に落ち着くのではないか?

 

と勝手に予測をさせていただき、しめとさせていただきます。