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WEBとかビジネス時々育児

月間2.8億PV、1100万UU。業界の先駆者「@コスメ」のビジネスモデルとは

@コスメを知らないWEB業界人はあまりいないでしょう。
1999年に化粧品口コミサイトとして産声を上げた同サイトは今や月間2.8億PV、1100万UU。口コミ数1200万、商品登録数24万件と他社の追随を許さない圧倒的な存在感を誇っています。

運営者であるアイスタイルの調べでは20~30歳代の女性2人に1人が利用しているとのこと。どれだけ同サイトが女性のコスメ選びの意思決定に寄与しているのかが伺えます。

本稿では@コスメを運営するアイスタイル社のビジネスモデルと事業戦略について同社のIR資料等を元に分析をします。

■株式会社アイスタイルのこれまで

1999年に当時アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身吉松氏が立ち上げ。「生活者中心の市場の創造」をミッションとして標榜し、その手段として立ち上がったのが@コスメです。その後2013年3月にマザーズ上場、そして同年12月に東証一部に市場変更を果たしています。

時価総額12,779百万円。PER約40倍。

@コスメを含む4つの事業を展開

アイスタイル社の事業は下記のようになっています。

  • @コスメ
  • 実店舗「@cosme store」の運営
  • ECサイト運営
  • 美容サロン検索サイトispotの運営

同社のIR資料から各事業の売上の推移を引用させていただきます。

 

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※アットコスメの売上は「マーケティング」。

創業依頼順調な成長を続けているのがわかりますね。アットコスメの売上が全体の半分程度を占めているイメージですね。

■@コスメが攻めるコスメ市場について

@コスメが事業を展開する市場について少し説明します。

→広告宣伝比率が高い

もともと化粧品は成分の多くを水が占めているため原価率が極めて低いです。

安くつくることは可能だったとしても使用している銘柄が女性のステータス心理を左右するためブランドの知名度や良いイメージがないと当然誰も買おうとはしません。

そのため他社のプロダクトと差別化を図るために宣伝広告費を多く使う、という構造になっています。

トイレタリー・化粧品は広告比率だけでなく絶対額も大きい市場です。こちらのデータを見れば市場ポテンシャルがわかりやすいかと思います。
※データが古くて申し訳ありません。。。

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※電通「日本の広告費」2013のデータをもとに筆者が作成。

ビジネスモデル

同社の主要事業である@コスメのビジネスモデルを図解すると下記のようになります。

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競合優位性

@コスメには競合という競合は存在しないと筆者は考えています。
同社はまだ女性がネットを使うことが一般的でなかったネット黎明期から化粧品の口コミを収集しデータベース化してきました。数にしてなんと1000万件以上の口コミです。

※仮にクラウドソーシングサービス等を用いて1件数十円程度で集めたとしても億単位の価値があると考えると今更口コミ系サービスで真正面から@コスメと戦うことを選ぶプレーヤーは少ないでしょう。

そのデータ資産こそが 同社の優位性につながっています。

また、アイスタイル社は@cosme storeという実店舗も展開しています。現在では都内に6店舗を構えています。
そこから得たブランド認知/価値も見逃せないポイントかと思います。

実際に真似しようと思ってもネット系企業は真似しにくいですよね。

 

財務諸表分析

・売上&利益率

売上と利益率の推移は以下のようになっています。

 

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売上は順調に伸びているものの、利益率は10%を切っています。
メディア企業であるものの、実店舗の運営等行っているためその他上場メディア企業と比べると低めになっています。

 

コスト分析

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※アイスタイル社IR資料より抜粋

http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=ir_material_for_fiscal_ym&sid=15515&code=3660

販管費の内訳については同社の決算報告書から抜粋させていただきます。

多くは人件費及びプロモーションコストですね。
販管費率の推移を見る限りは少しづつ下がっています。


最後に

今後の同社の成長の可能性についていくつか述べてみたいと思います。

 

・まだまだ市場シェアをとれる余地は大きい

 

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決算資料からの抜粋です。
化粧品・トイレタリー業界の広告費はおよそ6000億。

ターゲットユーザー一人当たりになおすとおよそ14,000円ですが、そのうち@コスメが獲得しているのは数%だけ。まだまだ獲得可能なパイは残されているようです。


・今後のキモの1つは有料会員の確保!?

@コスメのマネタイズは大部分が化粧品メーカーに対しての広告掲載費用であると考えられます。

 

決算資料を見る限り有料会員からの収益はまだ全体の10%程度です。

※同社IR資料内、セグメント売上及びメディア事業クライアント社数推移資料から推測。

 

同社から発表された@コスメの有料会員数は見つけることが出来ませんでしたが、伸びは確かなようです。

 

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同じくCGMのクックパッドの売上の半数近くが有料会員に対しての課金であることを考えるとまだまだ成長の余地はありそうです。

今後スマホ化・アプリ化を進めていくなかで、どのようなユーザー価値をもって有料会員を増やすかがポイントではないかと感じます。